2024-01-01 追記。「Blender のカラーマネジメント設定(完結編?)」
前回の続き。Blender のバージョンは 3.0.1 時点での話です。
基本的に Display P3 の高色域なディスプレイを搭載する Mac で Blender を使うときのカラーマネジメントについては前回の通りで、このように設定すればビューポート上の表示は適切な色になる。
しかしこれで作成したモデルをレンダリングしようとすると結果はじつは正しい色にならない。
ならないというか、JPEG で出力すると Blender はカラープロファイルを考慮せずに問答無用で sRGB のプロファイルを埋め込んでしまう。Display P3 の色域の RGB を sRGB として記録してしまうので、この JPEG ファイルを(カラープロファイルをサポートする今日では一般的な画像表示ソフトで)表示すると薄暗い色となって出てきてしまう。
この不具合は前回紹介した Filmic Blender の作者である Troy James Sobotka さんが開発コミュニティに報告しているのを見つけたが、カラーマネジメントに理解のない開発者から「それはバグじゃない」とか言われて放置されていた(泣)。
この問題を修正するには、出力した JPEG 画像のカラープロファイル情報を書き替えてやればよい。カラープロファイルの「変換」ではないので注意。
Photoshop であればファイルを開き[編集]-[プロファイルの指定…]で、おそらく元は sRGB になっているところを「Display P3」にする。この時点で開いている画像の色味が正しいものに変わるはず。そして、画像を[別名で保存]すればよい。保存するときに埋め込むカラープロファイルは Display P3 でも sRGB でもよい。
ImgeMagic のコマンドラインでもできると思うけど割愛。