Python の省略記号(…)について

いままでなんとなく見てよくわからないままにしていた Python コード中の省略記号、「...」。シンタックスだと思ったらなんとオブジェクトだった。

>>> ...
Ellipsis
>>> type(...)
<class 'ellipsis'>
>>> dir(...)
['__class__', '__delattr__', '__dir__', '__doc__', '__eq__', '__format__', '__ge__', '__getattribute__', '__gt__', '__hash__', '__init__', '__init_subclass__', '__le__', '__lt__', '__ne__', '__new__', '__reduce__', '__reduce_ex__', '__repr__', '__setattr__', '__sizeof__', '__str__', '__subclasshook__']
>>> 

...Elipsis といって、ellipsis オブジェクトである。3つのドットは Elipsis を表す専用のリテラル表記。

特別なオブジェクトのリテラル表記にすぎないとわかった以上は、使いみちを理解すれば怖いものではない。

When Do You Use an Ellipsis in Python? – Real Python

jjtemplate

Jinja2 テンプレートのオブジェクトを JSON ファイルで指定してテキストを出力できる Python スクリプト(兼モジュール)を作りました。

jsonjinja · PyPI
jjtemplate · PyPI

まあぜったい世の中のだれかがもう作ってるだろうけどいいんだよ。

あと名前も気に入ってます。ジェイソン神社。

2024-10-14 追記

GitHub に同名のプロジェクトがあったので混乱を避けるため jjtemplate に改名しました。

ウェブアプリ開発をローカルでやるかコンテナでやるか

VSCode で Python ウェブアプリケーションを開発するとき、コンテナの活用という視点で見るとつぎのように分類できる。

ローカルで開発、デバッグ

古典的なやりかた。プロジェクトをチェックアウトして、venv を作ってコードを書く。デバッグ(実行)するときもローカルのマシンで venv の Python で動かして確認する。いちばんなじみがある。

ローカルで開発、コンテナでデバッグ

VSCode ではデバッグ時にコンテナでプロジェクトを走らせることができる。ウェブアプリなんて作ったらどうせ(?) Dockerfile 書いてコンテナで動かすんだからはじめからコンテナで動作確認したほうがいい。後述の Dev Container が出るまでは有力な選択肢だった。

コンテナで開発、デバッグ

Dev Container ができて、最初から実行環境に近いコンテナでぜんぶ開発できるようになった。コンテナの中でローカルのように開発、デバッグできる。VSCode すごい。

Dev Container 開発の利点は、“What’s a devContainer and what is it good for?” (2023) という記事で次のような点が挙げられている。

  • 必要な開発環境をすぐに用意できる(依存ライブラリのインストールなどをあらかじめ揃えておける)。
  • 開発環境のバージョンを固定化できる。手元のマシンでは最新版にアップデートしたランタイムが後方互換性を失っているときなどでも以前のバージョンで開発を再開できる。
  • データベースなど連携するコンポーネントもコンテナに含めてしまうことで、実環境の変更の影響が開発環境に及ばないようにできる。開発者は各自自分のコンテナでの DB との接続性を保ったまま開発に集中できる。

で、ここではじつは開発環境が実行環境に近いということはとくに謳っていないのだが、たとえばプロジェクトで利用しているあるライブラリが Linux のみ対応だったり、Windows / macOS では挙動が違ったり、ディレクトリ構成が異なることで面倒な対応が必要だったりというのはありがちな話なので、そういうことから解放されるのはけっこう大きいメリットではないかと思う。

wxPython は PyPI にある

昨年書いた wxPython を pip でインストールする話の続編。

当時は pip コマンドに wxPython 公式サイトの URL を指定してごちゃごちゃやっていたのだけど、ちょっと前に正式に PyPI に登録された。いまは、

pip install wxPython

でインストールできる。Windows もビルド済み wheel があるのでかんたん。

wxPython(Phoenix)を pip でインストール

Phoenix は wxPython をモダンにリファインしているプロジェクトである(同じ名前のソフトウェアプロジェクトたくさんあるけど)。wxPython 開発陣自身によって進められている。モダンとはなにかというと Python 3 対応とか pip 対応とかである。ずっと開発版で表には出てこないのだけど Dropbox などはたしかすでに使っていた気がする。

wxPython が Python 3 や pip に対応していないのはけっこう面倒で、できればはやく正式版になってもらいたい。ようやく試したのでメモ。

Phoenix はまだ PyPI には登録されていないので、プロジェクトのウェブサイトにホストされているスナップショットからダウンロードする。ウェブサイトが HTTPS 接続できないので pip にはそのためのオプション –trusted-host が必要。また、バージョンが開発版なので –pre も要る。

~/src/test % pip install --user --pre --trusted-host wxpython.org -f http://wxpython.org/Phoenix/snapshot-builds/ wxpython-phoenix
Collecting wxpython-phoenix
 Downloading http://wxpython.org/Phoenix/snapshot-builds/wxPython_Phoenix-3.0.3.dev1839+4ecd949-cp27-none-macosx_10_6_intel.whl (29.5MB)
 100% |████████████████████████████████| 29.5MB 1.4MB/s 
Installing collected packages: wxpython-phoenix
Successfully installed wxpython-phoenix-3.0.3.dev1839+4ecd949
~/src/test % pip list --user
wxPython-Phoenix (3.0.3.dev1839+4ecd949)

wheel 版が用意されているので Windows でもビルドが要らないのがよい。