ハードディスク、安いよなあ。雑談。
好奇心が強いのは一般によいことだとされているけど、ときどきそれに振り回されているように思うこともある。そうなるともう「好奇心の奴隷」状態で、本当にやりたいことをそっちのけにして(本人の意思とは無関係に)調べたり読みあさったりしてしまう。困ったもんだ。
「固定観念」にとらわれたもう一人の奇妙な女性は、イギリスの外交官の妻レディー・マーガレット・アン・ティレル(一八七〇〜一九三九)である。彼女のライフワークは、新種の平行歴史《パラレル・ヒストリー》を書きあげることだった。紀元前二〇〇〇年から現代まで、世界のあらゆる箇所で起こった出来事を同時にたどろうというのだ。調査したり、注釈を加えたり、相互参照用の処理をしたりといった必要な作業があまりに多かったので、レディ・ティレルが、たとえば未来のジョージ六世を自分の夫の個人秘書と間違えるといった顰蹙もののへまをちょくちょくやらかしたのも、当然といえば当然だった。夫の外交の仕事でパリに滞在しているあいだ、彼女は公式行事にいっさい顔を出そうとせず、大使館の庭の木のてっぺんに腰を落ち着けて、そこで例の歴史を書きなぐっていた。
デイヴィッド・ウィークス、ジェイミー・ジェイムズ著、忠平美幸訳『変わった人たちの気になる日常』草思社、1998年
パソコンがあったらこの人はさぞやハマったことだろう。だけど木に腰掛けて書きものをするってのはちょっといいですよね。
話変わって。ゲイリー・ガイギャックスが亡くなったらしい。僕が新和の D&D 赤箱を買ったのは小学校六年生の頃だった。思えばあのルールブックの色がこのサイトの見出しの色を決定づけているといっても過言ではない。地元のスーパーにホビーショップが入ってて、そこで買ってもらったんですよ。遊ぶ人はいなかったけど。D&D 自体はスティーブ・ジャクソンのゲームブックシリーズ(東京創元社から出てたやつ)から知ったように思う。エンデとか、ナルニアとかのファンタジー小説がもともと好きだったというのもあるけど、テーブルトークの RPG については、まず「シナリオを作ること」のおもしろさと、それから「ゲームのシステムそのものをデザインすること」のおもしろさに惹かれてたのが大きかった。そういうタイプと、「ダイスを振って勝った負けたが楽しい」ってタイプと、「ごっこ遊びが楽しい」ってタイプとがあったよね、あの世界は。中学生になってからは勇気を出してコンベンションに参加してみたりしてね。いまもやってる人たちいるのかなあ。(ちなみに周囲でテーブルトークの RPG がはやりだしたのは中学校に入って少したってからで、自分的にはその間に少し断絶があった。)
まあそんなこんなで少年時代のある時期に強い影響を受けた人物のひとりだったことは間違いないのです。あの趣味を通して学んだことも多かったと思う。合掌。