2012-06-17

ばたばたして一週間空いてしまった。今週も時間がなくてあんまり進められなかったよ。とはいえ進んだとこまで: unicodeseg.py 0.5.2

2012-06-02

今週はずっと体調が悪かった。さて、

The pytextseg package provides functions to wrap plain texts: fill and wrap are Unicode-aware alternatives for those of textwrap standard module; fold and unfold are functions mainly focus on plain text messages such as e-mail.

It also provides lower level interfaces for text segmentation: LineBreak class for line breaking; GCStr class for grapheme cluster segmentation.

ということで、今やっていることそのもののモジュールがやはりすでに存在していた。もともと C の行分割ライブラリ(これ自体は数年前からある)を作られていて、その Python バインディングみたい。折り返し用の wrap 関数を同梱するとこまで被ってる(汗)。まあいずれ必要な人は必要になるよね……。Python のモジュールとして見れば API の設計とかで考えの違うところはあるけど。

そんなわけで、textseg という名前は PyPI にすでに登録されていた。ので、unicodeseg という名前にした。0.5.1 です。API も整理してだいぶ変わってきてるけど、そろそろ落ちついてきた。wxPython を使った、GUI のデモも付けたよ。まだ遅いけど、速くするのはまだ我慢している。

それでこのドキュメントを書きながら思ったのは、大事なのは、API リファレンスより Unicode のテキスト境界処理の基本的な概念だよなーということだった。これをリファレンスに入れると量が増えすぎてしまうし、このモジュールの説明だけに限った話でもないので、いまその部分だけ独立させて覚え書きにしようとしているところです。それがここ(「Unicode テキスト境界処理覚え書き」)にあります。まだ書きかけだけど、読んで何かコメントありましたらくださいな。

2012-05-27

今週知ったこと。走ってる Python インタプリタの unicode 内部実装が narrow (16bit UCS-2) か wide (32bit UCS-4) かを知る方法: sys.maxunicode を見る。

ucd.py 0.5.0 を公開。今週できたとこまでの中間報告という感じ。来週もやるよー。

こまごまと進めていったら、sentence break とか分割をカスタマイズ可能にするとか、面倒だと思ってたところができてしまったのでちょっと嬉しい。

そろそろモジュールの名前を変えたい。ucd というのは、Line_Break 属性を返す関数などがあるので最初は unicodedata モジュールに近いものかと思って “Unicode Character Database” からとっていたもの。しかしだんだん方向性が見えてきて、違う名前のほうが相応しいような気がしてきた。いま思ってるのは、これは文字列をいろいろな境界で分割する機能(segmentation)を提供しているものと言えるので、textseguniseg なんてどうかな、と。UAX #29 も “Unicode Text Segmentation” だしね(UAX #14: Unicode Line Breaking Algorithm とかも扱ってるけど)。あと ucd.codepoint とかのサブモジュールは廃止予定。廃止というか、ルート・パッケージでぜんぶ import してしまう。関数名が長くなって取っつきにくい。

2012-05-20

更新情報

こないだぶつぶつ言ってた件、思いきって手を入れたので公開することにしました。Python で Unicode 文字列を分割したりするモジュールです。で、その一部だった codepoint.py は引っ込めた。短い命であった。

というか、これ一回公開してますね。おととしのいまごろ、今とおんなじようなぐだぐだしたテンションで。この時は uniwrap.py がメインで ucd はそれに必要なモジュールという感じで書いてる。

その後このモジュールはあんまり触ってなくて、でも ucd.codepoint の部分はけっこう使い回してて、なんかずるずると依存していたのだった。今回気を取り直してごっそり見直してコードを整理しました。

データベース部分に組み込みの sqlite3 モジュールを使うようにしました。遅くなってるような気がする(前はデータから Python コードを直接生成していた)けど、unicode.org のサイトで公開されてるデータから完全に機械的に流し込んでいるので、この部分で余計な心配をする必要がないのは開発途上の今の段階ではいいかな、と。

UAX #29 で定義されてる、文字(グラフィム・クラスタ)単位と単語単位の分割は完全に実装できてます。ユニット・テストは unicode.org のテスト用データから自動生成してテスト・ケースにしてるので、これはたぶん大丈夫。ものすごく愚直に落とし込んだコードなので、遅いけど、動いてます。速くするのはこれからテスト逸脱しないようにやっていけばいいよね。

で、問題は UAX #14 の行分割のほう。いわゆる禁則処理に相当するんですけどね、前にツイッターでぶつぶつ言ってたような気がするけど、この Technical Report に提供されてるテスト用データ(LineBreakTest.txt)がどうもバグってるらしいのね。前はそれで unicode.org メーリングリストにまで書いて訊いたのだった(そこで言われた)。だから、せっかくここからテスト・ケースを生成してもテスト側が間違ってたりするから必ず失敗する。これの開発にいまいちのめり込めなかったのはこのぐだぐだのテスト・データのせいだっ。

今回これもより愚直で馬鹿正直な(遅い)コードにしたおかげか、それでもテストのほとんどは通るようになっている。5202 件あって失敗は 17 まで減った(ucd/linebreaktest.py をスクリプトとして実行すると ucd/linebreak.py 用のユニット・テストを実行します)。失敗内容を見ると、件のテスト側が間違っているっぽいのがほとんどで、微妙な(どっちが間違っているのか仕様をよく読んで考える必要がある)のが数例という感じ。

uniwrap.py という折り返しスクリプトを(今回も)付けてるので遊んでみてください。あと、このスクリプトは GUI 用の折り返し処理にも使えるクラスを内蔵してまして、それもこの先ブラッシュアップしていきたいんだ。

このモジュールを前提にできると、この先他のテキスト処理のライブラリが作り&公開しやすいのだけどなあ。