先日読んだ本で著作権半可通になった人間の言うことなので自信はあんまりないんですが。
- 雑多メモ – 更新履歴(2004年6月) – Final β Laboratory
- http://www.finalbeta.jp/update_log/2004_06.html#log20040605_6
- 商業メディアの記事で
iTunesにAACフォーマットで読み込み済みのCDはあらかた中古で売り払ってしまったとか書いちゃうライターって- コメントで突っ込まれて
金をもらうのが目的ではなくて処分したかっただけとかいう言い訳もすごい。現行法やアーティストの権利保護(がちゃんとできているのかという点はさておく)より「自分の手間」が上なのね。
中村さんは「商業メディア上で言い切ったことの大胆さ」を言われてるのだと思いますけど、これって違法ではないですよね。(コピーコントロールでない)CDをリッピングするのも、リッピングしたオーディオデータを手もとに残した上でオリジナルを中古店で処分するのも。レコード会社やJASRACは忌々しく思ってるかもしれないけど、さすがにそれを違法だとは言ってなかったと思います(将来法律を変えて違法にされてしまうかもしれないけど)。
だからこそ、JASRACはサイトのFAQに「自分で買ったCDをMDに録音したいのですが、著作権上問題はありますか?」
とか「MP3ファイルを配信したいのですが」
という質問は置いたのに、「録音したMDを残して購入したCDを処分するのは違法ですか?」とか「自分で買ったCDをMP3として録音したいのですが、著作権上問題はありますか?」といった、「ほんとに確認しておきたい質問」については用意しなかったのでしょう(MP3のことは、配信とか頒布について――「それは違法です」と言えること――ばっかりこのFAQには載っている)。私的複製を残してオリジナルを手放す行為が違法なら、カセットテープやMDの普及した時点で(啓蒙活動なりコピーガードなり法的措置なりの)対策がとられてるはずです。
で、もし違法でないのなら(あくまで上の僕の意見が正しかったらの話ですよ)、このライターさんがそこを確認せずに言い訳めいたことを書いていることのほうが罪深いような気がします。過去に同じような行動をとったユーザーはたくさんいると思いますが、こうした人々にとっては、自分は法を犯してしまったのか否か、という大事な一線に関わる話だからです。
コメントを付けた人も回答したライターも、倫理的価値判断の含みを持たせて法的問題を語るという、著作権問題の議論にありがちな誤謬に陥っているように見えます。
「売り払ってしまった」とはっきり書いたことが「すごい」ということについてはまったく同感ですけど。