艱苦の iTunes Match

日本でも iTunes Match が始まったので遅まきながら自分も登録してみた。iTunes Match を登録するとどう嬉しいのかなどについては深澤さんのブログにうまく整理されていますのでそちらを。

僕の iTunes ライブラリにはおよそ13,000曲、アルバムにして1,000枚ちょっとの曲が入っている。その9割近くが CD から取り込んだもの。10年以上前からずっと入っているものもある。以下の話の参考までに。

iTunes Match の話になるとかならず「アップロードに時間がかかる」という話になるのだけれど、僕の場合は Mac 点けっぱなしでおよそ4日かかっていた。上りの遅い ADSL 回線だけどね。アップロードすることになった(つまり「マッチ」扱いにならなかった)のは約4,000曲だった。曲が iTunes Store の情報に「マッチ」すると、その曲は実際にアップロードしなくてもよいので、その割合が高いほど初期準備の時間は短くなる。 処理完了後、ライブラリの iTunes Match 状況の内訳は次のようになった(括弧内はアルバム枚数)。

  • マッチ: 8,963 (819枚)
  • 購入した項目: 97 (5枚)
  • アップロード済み: 3,959 (514枚)
  • 待機中: 39 (34枚)

「待機中」というのは iTunes Store のクラウドでマッチ処理が継続しているということで、この状態の曲はダウンロードすることも聴くこともできない。ふつうは処理の進行に伴って減っていくのだが、いつまでも終わらないでこのように残る(グレーアウトして表示される)曲がどうしても出てきてしまうのが実情のようだ。しかしそれが39曲というのは他の人のブログなどを見る限りかなり少ない方のようで、僕はラッキーなほうだったみたい(最近なのでクラウド側の処理が改善されたのかもしれない)。ちなみに、他の人ではちらほら見かける「不適格」ステータスがついたものは一曲もなかった。DRM 付きのがなかったからかな。

さて、アップロード済みの中には、取り込んだのが最近で AAC 256 kbps(つまり iTunes Store と同等)のものもある。iTunes Match では、マッチした楽曲は元ファイルのビットレートにかかわらず 256 kbps の AAC 版をダウンロードできるようになっている。僕は昔に取り込んだビットレートの低い MP3 ファイルが多かったので、今回はそれも重要な登録の目的のひとつだった。そこで自分のライブラリで音質がそれ未満のものを抽出してみると、10,270曲あった。こういう情報は、iTunes でスマートプレイリストを作ると簡単に抽出できますよ。

古い MP3 楽曲の高音質版を手に入れるのが目的で iTunes Match を購入している場合は、できるだけ多くのアルバムをマッチさせるのが望ましい。iTunes に AAC 版があるのに「アップロード」扱いになっているようなものは、ほんとうは再マッチさせたいところである。(今回はあまり重要視していないけど、マッチさせると、25,000曲という iTunes Match のアップロード曲数制限にかからないというメリットもある。)ちなみに、もちろん iTunes のサーバにそもそも登録がないものは、iTunes Store 版の AAC はダウンロードできない。さて、ではその再マッチさせるのにいちばんいい方法はというと、それがビットレートを上げてリッピングし直すことみたいなのである。

高音質版を楽に手に入れたくてマッチさせようとしてるのに、けっきょく再リッピングになってしまうんだ……。

まあそれは仕方ないと自分を納得させることとして(それでも音質の低かった曲をすべて再リッピングするよりはずっと——正確には7,268曲も、つまり「『マッチ』していた低ビットレート曲数」分——手間は減ってるんだし)、そうなると作戦としては、

  • 「待機中」でグレーアウトしてしまった曲を含むアルバムを再リッピング・再マッチさせる。
  • その上でマッチせず残ったアルバムのうち、ビットレートの低い MP3 のものを再リッピング・再マッチさせる。

とするか。これだと「マッチせず残った、本来ならマッチしているべきアルバム」は見逃すことになっちゃうけど、それはまた一段階贅沢なレベルの話と割り切ろう。

さて、400枚か……(マッチしなかった曲を含むアルバムのうち低ビットレートのものの枚数)。