先月の話。ファミリー・レストランで初老の夫婦。歌舞伎かなんか観てきた帰りなのか役者の話などしていて、趣味がいいな、などと思っていたら。とつぜん、どこかでやたらに声の高いおばさんの声がした。ウエイターに行っているのだと思うのだけど、店中にまる聞こえである。

「あなたこの近くでホテル知らない?」
「うちの周りみんな停電になってしまって、テレビも電話も使えないの」

ウエイターもそんなこと聞かれても知らんだろ、と気の毒に思ったけど、近所のホテルを調べてあげたりしているらしい。……が、おばさんは耳が遠いのか、どうにも噛み合わずに同じ話が何度も聞こえてくる。

「あたしのうちの周りみんな停電になってしまって、電話も炊飯器も使えないの」
「ホテルあるの? いくら?」
「あらあるの。どこ? タクシーいくら?」

えらい声がでかいので、店の雰囲気も平静を装いつつもちょっと緊張した感じになっていた。まあ何でも店員にやらせる人はいるよな、などと思っていたのだけど、そこで先ほどの老夫婦の旦那のほうが、奥さんに小さい声で、

「(電気)止められたんじゃないのかな、きっとそうだよ」

と言ったのが聞こえて、一瞬で合点がいった。もともとネジが外れているか止められたせいかで、ちょっとおばさんはおかしくなっているのだ。お金がないのを否認したくて「ホテルいくら?」とか「タクシーいくら?」とか言うのである。

それで、そのおばさんよりも、おばさんの声しか聞こえないところで状況を一瞬で見抜いた紳士に感心してしまった。いろいろな人間を見てきて働く勘なのだろうね。こういうちょっと異常な形で現れた裏に働いている心理を見抜くのは若いもんには難しい。(勉強させていただきました……)となんだかすごく謙虚な気分になって店を出てきたよ。そんな話。

仕事が忙しすぎる。ほんとに引っ越せるのか。日・月はひたすら荷造りと掃除だ。なんか台風来てるし、大丈夫だろうか。仕事でも家でも「やりかけ」で宙ぶらりんの状態なせいか、落ち着かない気分が続いているのもよくない。

本とCDは段ボールであわせて30箱になった。今のこれくらいの量で30箱というのを覚えておくと次回(いつだよ)役に立つかもしれないので書きとどめておこう。

  • 電気の引越申込
  • 水道の引越申込
  • 都市ガス開栓・プロパン閉栓申込(いまいるところはなぜか都市ガスがきてなかったので)

をやった。プロパンの閉栓以外はウェブで申込できた。

移転先が某ケーブルテレビ事業者の回線収容物件なのでさっそく営業の電話がかかってきて、「点検」をしたいとのこと。テレビないよと言うとパソコン使うならインターネットもご利用いただけるのでその「確認」をしたいという。その時点ではまだプロバイダもどうするか決めてなかったので「そうですか」と適当に相槌していたら、何月何日に行くので「念のため印をお持ちになって」お待ちくださいだと。強引だね。

さて、その後いまの電話と ADSL とがそのまま移転できるっぽいことが判明してそれを申し込んだので、かかってきたケーブルテレビ会社の番号にこっちから電話して、もう申し込んだから来なくていいよと伝える。またテレビの信号云々と言ってきたので(まあ想定内だ)、テレビはないよ、置くことになったら相談するよ、とあらためて伝えてキャンセルしてもらった。こういうのは早く話つけといたほうがいい。

やー、最初から断ればよかったのだけど、こちらの心の準備ができてないところで電話がかかってきたので押し切られてしまった。翌日なんとか断れたからよかったけど、はっきり断れないたちの人なら欲しくもないオプションをいろいろ付けて契約させられてしまうだろうことは想像に難くない。実家の母のとこにもよくかかってきて困っているらしい(実家にはいまフレッツ光が入っているが、テレビがケーブルなので……それでいまちょっとごたごたしてるのだけどそれはまた落ちついた時に)。インターネットとかよくわからない人ならなおのことで、判断できないとこに付け入るようにたたみかけて契約取ってるのならひどい話だよ。

まあちょっと広くなるのでふたたびテレビを置く気にならないこともないかもしれないというのは嘘ではないんだ。

引っ越すとこれから新聞とかまた来るからね。それだけはほんとゆーうつ。

引越業者申し込んで日取り決めた。段ボールが届くので明日から箱詰めの日々である。
電話の移転を NTT 東のサイトから申し込んだ。電話番号の変更はなしだって。
電話番号が確定したので、プロバイダに ADSL の移転申込をする。移行日は電話移転の翌日に設定。なんかキャンペーン中で移転手数料が無料になるかもしれないらしい。なるといいな。
移転先が某ケーブルテレビ事業者の回線収容物件なのでさっそく営業の電話がかかってきた。この件はまたあとで。