2008-05-07

私信。すみません、間違い電話です。

雑談。素人国文学の危険性について。

古文について調べてたら、たいへんにやばいサイトを見つけてしまった。怖いのでリンクはなし。

記紀万葉には、文化系版相対性理論みたいな面があるのかも。デンパが発生しやすいという意味で……。

万葉仮名の暗号っぽさとか(そんな書名の本もありました)、大化の改新以前の歴史ミステリーっぽい要素とかが一因だとは思うのですが、なんとも。自分は政治史は興味ないけど、「書き換えられた○○」とか「××皇子の陰謀」とかそういうのが好きな人は多いし。僕は歴史ミステリーは『日出処の天子』で十分だ。

文学・歴史問わず、奈良時代以前についてとなると、がぜんデンパを帯びた書籍が多くなり百鬼夜行の様相を呈してくるので、本屋や図書館では注意しなければ。しかも、まともな本か、そうでない本かは、たいていの場合タイトルだけでは判別できない。一般向けとなると『〜の謎』みたいな題名にしがちなのは偉い先生もやばい先生も同じなので、著者の素性やじっさいに本を開いての中身を確認しないとたいへんなことになるのです(神代文字とか)。まあたいてい数か所数ページを見ればほぼ見当はつくけれど。

平安時代(中古)の日本語でも、単語や用法の歴史をたどろうとするとけっきょくは万葉集とかの頃の話になってしまう。上代の日本語はおもしろいんですが、いかんせんわからないことが多すぎて、すぐに謎解きごっこになってしまうので素人には危険すぎる。

けっきょく、記紀万葉関連の本については、めんどくさいので「記述されている内容について論じていたらパス」という超ラディカルな態度で選んでます。読むのは、文字を数えてその頻度がどうとか、係り結びがどうとか、表層的なことを論じているもののみという、やや潔癖症気味のポリシー。歴史のほうに興味があったらこうはいかないだろうけど、引き返しどころを決めておかないときわめて危険な領域ということで。

あともちろん「書かれてたのは日本語じゃなかった!」系はパスです。

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